法人企業・個人事業主の税務・会計・申告・節税対策

税理士からのメッセージ

2020年11月02日

年末調整の留意点(2)

先月に引き続き、年末調整の留意点について説明させていただきます。

C扶養親族等の合計所得金額要件の改正
扶養親族等の合計所得金額要件がそれぞれ10万円引き上げられました。
1)同一生計配偶者
48万円以下(改正前:38万円以下)
2)扶養親族
48万円以下(改正前:38万円以下)
3)源泉控除対象配偶者
95万円以下(改正前:85万円以下)
4)配偶者特別控除対象配偶者
48万円超133万円以下
(改正前:38万円超123万円以下)
5)勤労学生
75万円以下(改正前:65万円以下)

上述のとおり、扶養親族等の合計所得金額要件が10万円引き上げられましたが、前月説明の給与所得控除額の改正により、給与所得控除額が10万円引き下げられていることから、給与収入のみの方で給与収入額が前年と変わらない場合は、今回の改正による影響はなく、得も損もありません。
一方で、事業所得のみの方の場合は、給与所得控除額の引き下げの影響はなく、扶養親族等の合計所得金額要件の10万円引き上げは適用されることから、扶養親族等の判定で改正前と比べ10万円得することになります。

Dひとり親控除の創設及び寡婦(寡夫)控除の見直し
今回の改正で、納税者が「ひとり親」であるときは、35万円の所得控除(「ひとり親控除」)を受けることができるようになりました。
「ひとり親」とは、婚姻をしていないこと又は配偶者の生死が明らかでない人のうち、
1)その人と生計を一にする子(他の人の同一生計配偶者又は扶養親族になっていない人で、総所得金額等が48万円以下)がいること
2)合計所得金額が500万円以下であること
3)その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人がいないこと
の3要件を全て満たす人となります。
そのため、改正前では寡婦控除等の対象外であった「未婚のひとり親」が、本控除の要件に該当するケースが出てきます。
なお、改正前に「寡夫」又は「特別の寡婦」に該当していた方は、3)の要件を満たすと「ひとり親」に該当することになり、「ひとり親控除」の適用対象となります。
寡婦(寡夫)控除の見直しも行われ、扶養親族を有する寡婦についても 2)の合計所得金額要件と 3)の非事実婚要件がそれぞれ追加され、要件が厳しくなりました。
改正後は、「寡夫」と「特別の寡婦」がなくなり、「ひとり親」と「寡婦」に改組されます。

今回の改正により、令和2年分の年末調整は昨年と異なる点が複数あり混乱が予想されます。
年末調整を行う際には、改正内容の再確認が必要となりそうです。

posted by 山崎義孝税理士 at 15:00| 年末調整

2020年10月02日

年末調整の留意点

今年も早いもので残り三ヵ月となり、私どもの一年の集大成の一つでもある年末調整の時期がいよいよ近づいてきました。
今年の年末調整では、税制改正による昨年との変更点が複数あることから、今回はその留意点の一部について説明させていただきます。

@基礎控除額の改正
合計所得金額が2,400万円以下(給与収入のみの場合、2,595万円以下)の場合は、一律10万円の引き上げ(48万円)となりますが、合計所得金額が2,500万円を超える(給与収入のみの場合、2,695万円超)場合には、基礎控除額はゼロになります。
ちなみに、改正前は所得金額に関係なく、無条件で基礎控除(38万円)の適用がありました。

A給与所得控除額の改正
給与の収入金額が850万円までの場合は一律10万円の引き下げ、850万円(改正前:1,000万円)を超える場合は控除額が195万円(改正前:220万円)で頭打ちとなります。

B所得金額調整控除の創設
上記Aの改正により、給与収入が850万円を超える場合は原則増税となり、税負担が増加することとなりますが、以下のいずれかの要件を満たす場合には、「所得金額調整控除」の適用を受けることが可能となり、それにより税負担の増加が生じないことになります。
<適用要件>
イ本人が特別障害者に該当する者
ロ年齢23歳未満の扶養親族を有する者
ハ特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する者
<計算式>
{ 給与等の収入金額 ( 1,000万円超の場合は1,000万円 ) − 850万円 } × 10% = 控除額

なお、年末調整においてこの控除の適用を受けようとする場合は、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、給与の支払者に所得金額調整控除額申告書を提出する必要があります。
給与収入が850万円を超えるかどうかが明らかでない場合でも、控除の適用を受けようとするときは、同様に申告書を提出する必要があります。

また、共働きで夫婦ともに給与等の収入金額が850万円を超えており、夫婦の間に1人の年齢23歳未満の扶養親族がいるような場合には、扶養控除の適用の場合とは異なり、その夫婦双方がこの控除の適用を受けることが可能となっているため注意が必要です。

給与等の収入金額が850万円以下の方は、上述のとおり給与所得控除額が10万円減少しますが、基礎控除額が10万円増加するため、実質的には税負担の変化はありません。

posted by 山崎義孝税理士 at 13:30| 年末調整

2019年11月12日

年末調整

朝夕の冷え込みが徐々に厳しくなってきました。
早いもので令和元年も残すところ一カ月余りとなりました。
年末が近づき、いよいよ私共は繁忙期へ突入します。

まずは年末調整。
今月に入り、税務署から年末調整関係書類が届いてきています。
保険会社からも各保険料控除証明書が送られてきており、気分は年末調整モード一色です。

昨年の年末調整から、配偶者(特別)控除の仕組みが変わっています。
配偶者控除等を受ける給与所得者本人に所得制限が設けられ、給与収入のみの場合、1,120万円超の方は控除額の制限を受けることとなります。
また、給与収入が1,220万円を超えると配偶者(特別)控除が適用除外となってしまいます。
つまり、この所得制限にひっかかる方々は増税ということになります。

一方で、配偶者特別控除の適用範囲は広がっており、配偶者の給与収入が2,015,999円以下までの場合には、収入金額に応じた配偶者特別控除が適用できることになっています。
これにより、配偶者特別控除の適用人員は1割程度増加したと言われています。

上述のとおり、新しい制度では配偶者(特別)控除の所得制限及び適用範囲が新たに多く設けられていることから、従来の制度と比較して適用の誤りが多く発生している模様です。
特に、配偶者特別控除の適用の誤りが多いようです。

配偶者の所得を正確に把握できていないことが要因ではありますが、年末調整で誤りがあると、年末調整のやり直しもしくは確定申告での対応となり、実務上、手間のかかる作業が発生することに繋がってしまいます。

スッキリとした気持ちで年越し、新年を迎えるためにも、年末調整に関しては上記のことに留意していただければと思います。

posted by 山崎義孝税理士 at 11:30| 年末調整
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