法人企業・個人事業主の税務・会計・申告・節税対策

税理士からのメッセージ

2026年03月02日

少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

確定申告の申告期限まで残り2週間となりました。

令和7年分の確定申告においては、令和7年度税制改正によって基礎控除の引上げや、給与所得控除の最低保証額の引上げ、特定親族特別控除の新設、扶養親族等の所得要件の緩和など、昨年と比べて変わった点が多々あります。

これらの変更点は、個人の税負担を軽減するものであるため、適用漏れがないよう十分に注意していただく必要があります。
また、申告期限も迫ってきているため、時間に余裕を持って確定申告されることをお勧めします。

さて、令和8年度税制改正大綱において、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の対象となる資産の取得価額の引上げが示されました。

本特例は、中小企業者等が取得価額が30万円未満の少額減価償却資産を取得して事業の用に供した場合に、その事業年度において損金処理を要件に、取得価額を損金算入できるというもので、節税対策の一環として多くの中小企業者等が本特例を適用しています。

今回の改正で、取得価額の基準が「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられる見込みです。
物価高や高性能化で、30万円を超えるパソコンや精密機器等が増加している実情を鑑みると、基準額の引上げは理にかなった対応と言えそうです。

この取得価額の基準の引上げは、改正法の施行日以後に開始する事業年度からではなく、施行日以後に取得した資産に適用される予定となっています。
例えば、令和8年4月1日に施行された場合では、同年3月31日以前に取得した資産については現行の「30万円未満」が適用され、同年4月1日以後に取得した資産については本特例の「40万円未満」が適用されることになるため、注意が必要です。

また、現行の「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」は、一つの事業年度で取得価額の合計額300万円までが適用限度額となっていますが、今回の改正においてはこの適用限度額の変更はないようです。

なお、個人事業者の所得税の本特例においても、同様の改正が行われる予定となっています。

posted by 山崎義孝税理士 at 20:00| 改正税法

2026年01月07日

令和8年度税制改正大綱

あけましておめでとうございます。

令和8年がスタートしました。
平成から令和へ改元されて約7年、月日が経つのは本当に早いものです。
世界情勢の不安定な状況は続いていますが、今年も健康に留意し、充実した日々を過ごしていきたいですね。

さて、昨年の12月に令和8年度の税制改正大綱が公表されました。

今回の改正案では、「特定生産性向上設備等投資促進税制」の創設や、インボイス制度の経過措置の見直しのほか、物価上昇に連動した基礎控除等の引上げなど、歓迎される改正項目も多く、一定の効果が期待できそうです。

令和8年度の税制改正の主な項目は以下のとおりとなります。

<法人税関係>
・特定生産性向上設備等投資促進税制の創設
・研究開発税制の見直し
・賃上げ税制の見直し(大企業、中堅企業向けの措置は廃止。中小企業向けの措置は現行制度を維持。ただし、教育訓練費の上乗せ措置は廃止)
・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例基準額(現行30万円未満)の見直し(40万円未満に引上げ)

<所得税関係>
・基礎控除等の引上げ(物価上昇に連動)
・自動車等の通勤手当に係る非課税限度額の引上げ
・住宅ローン控除の拡充(子育て世代への支援強化)
・NISA制度の拡充(つみたて投資枠の対象年齢を0歳まで拡充)
・暗号資産の分離課税化(特定暗号資産の譲渡に係る課税が総合課税から分離課税へ)

<消費税関係>
・インボイス制度の経過措置の見直し(2割特例が3割特例となり2年間(令和9、10年分)適用可能。個人事業者のみの適用で、法人は対象外)
・インボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れに係る経過措置の見直し
【R8.10.1〜R10.9.30:70%】【R10.10.1〜R12.9.30:50%】【R12.10.1〜R13.9.30:30%】

<地方税>
・固定資産税の免税点の引上げ(固定資産税の家屋に係る免税点を30万円(現行20万)に、償却資産に係る免税点を180万円(現行150万)にそれぞれ引上げ)

posted by 山崎義孝税理士 at 17:00| 改正税法

2025年08月04日

退職所得の源泉徴収票の提出範囲の見直し

連日の猛暑のなか、8月がスタートしました。

夏休み期間中ですが、外で遊ぶ子供たちの姿は少なく、猛烈な暑さが日本中を襲っています。
熱中症による救急搬送者数も多いようで、こまめな水分補給と休息を意識して生活していきたいものですね。

さて、今回は、令和7年度改正の1つである「退職所得の源泉徴収票の提出範囲の見直し」について説明させていただきます。

現行制度下において、役員や従業員の退職等に伴い退職金を支給した場合には、その受給者に「退職所得の源泉徴収票」が発行され、「役員分」については、所轄税務署と市区町村へ同様の源泉徴収票を提出する必要があります。

令和7年度改正では、この退職所得の源泉徴収票の提出範囲が「役員のみ」から、「全ての居住者」に見直されました。

それに伴い、令和8年1月1日以後支払うべき退職手当等に係る源泉徴収票等からこの見直しが適用され、退職金の支払者は、役員だけでなく、従業員分についても所轄税務署及び市区町村に同源泉徴収票の提出が必要となります。

原則として、退職所得の源泉徴収票は、退職金受給者の退職後1か月以内にその都度、所轄税務署と市区町村に提出する必要がありますが、現行制度においては、所轄税務署に提出する退職所得の源泉徴収票については、その年中に退職した受給者分の源泉徴収票を「まとめて」翌年の1月末までに提出できる取扱いが例外的に認められています。
そのため、実務上では、退職の度に源泉徴収票を提出せずに、1年分をまとめて法定調書合計表と一緒に提出することが一般的となっています。

改正後もこの例外的な取扱いは継続されるようで、役員だけではなく受給者が従業員の場合も、まとめての提出が可能となります。
これにより、令和8年中に退職した役員、従業員に係る退職所得の源泉徴収票はまとめて、令和9年1月末までに提出することができます。

この提出範囲の見直しの背景には、退職所得も含まれる「合計所得金額」が関係していると言われています。
本人の合計所得金額が900万円超となると配偶者控除額および配偶者特別控除額が、2,400万円超となると基礎控除額がそれぞれ段階的に減少します。退職金は多額となりやすく、この退職所得を含めると、合計所得金額が900万円を超え、これらの控除額に影響するケースがかなりあるようです。
しかしながら、納税者等が退職所得を合計所得金額に加算することを知らないケースや、従業員分の退職所得に係る源泉徴収票の提出義務がなかったことから、税務署側も正確な把握ができず、申告漏れに気づかない状況下にあったようです。

令和8年分からは、全ての方の退職金の支給状況が課税当局に把握されることになるため、令和8年以後に退職金を受給される方は、退職所得を含めた合計所得金額に注意が必要です。

posted by 山崎義孝税理士 at 18:00| 改正税法
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