法人企業・個人事業主の税務・会計・申告・節税対策

税理士からのメッセージ

2018年12月04日

民法改正

今年も残りわずかとなりました。
今年は、昭和55年の民法改正から約40年ぶりに相続法が大改正され、大きな目玉となっています。

今回の改正のきっかけは、「非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とすることは、憲法第14条1項(法の下の平等)に違反している」と判断した平成25年9月の最高裁決定です。
この判断を受けての民法改正の過程において、社会情勢の変化に対応するための相続法の見直しの必要性が指摘され、今回の改正に至っています。

今回は、主な改正項目のうち、配偶者の居住権を保護する制度についてご説明させていただきます。

本制度は、配偶者居住権と配偶者短期居住権の2つの制度があります。

配偶者居住権とは、相続開始時に配偶者が居住していた被相続人の建物の全部について、無償で使用及び収益を認める権利で、配偶者居住権の取得は、遺産分割または遺贈によることとされています。
配偶者居住権の存続期間は原則として終身で、配偶者居住権は設定登記義務があるため、登記により配偶者居住権を第三者に対抗することができるようになっています。
つまり、当該居住建物の所有者が第三者にその建物を売却した場合においても、配偶者は配偶者居住権の権利を失うことはないこととなります。

以上のことから、配偶者居住権には財産的価値があると考えられ、相続財産の一部として考慮されるため、相続税にも影響を及ぼします。
相続税における配偶者居住権の評価方法については、現時点では確定的な基準が存在していませんが、配偶者の他の財産の取り分が配偶者居住権相当額分だけ減少することになります。

なお、配偶者居住権は、「配偶者自身の居住環境の継続性を保護するためのもの」であるとして、第三者への譲渡は禁止されていますが、居住建物所有者の承諾を得ることができれば、第三者に賃貸し、賃料を取得することが可能となっています。

次に、配偶者短期居住権とは、遺贈が無い場合や遺産分割協議がまとまる間、配偶者の居住権を保護する必要性があることから、相続開始時に被相続人所有の建物に無償で居住していた場合に、当該居住建物を無償で使用することができる権利のことで、以下の1)、2)の期間、居住建物を無償で使用することができるとされています。
1)遺産分割協議による場合、居住建物の帰属が確定するまでの間(最低6か月は保障)
2)第三者が居住建物の所有権を取得した場合、居住建物の所有者から配偶者短期居住権の消滅請求を受けてから6か月

配偶者居住権と同様、配偶者短期居住権の譲渡は禁止されています。
その一方で、配偶者居住権とは違い、賃貸収益は認められていません。

なお、配偶者の居住権を保護する規定(配偶者居住権等)の施行日は2020年4月1日となっています。

posted by 山崎義孝税理士 at 18:30| 改正税法

2018年10月01日

認定支援機関の現状

認定支援機関制度は、平成24年8月30日施行の中小企業経営力強化支援法(現:中小企業等経営強化法)で導入され、今年で6年が経ちました。

経営革新等支援機関(認定支援機関)は、「中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるために、専門知識や、実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関」として位置づけられており、商工会議所や金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等が主な支援機関となります。当事務所も認定支援機関として経営革新等支援業務(中小企業等の経営状況に関する調査・分析と中小企業等の事業計画の策定や同計画の実施に係る指導・助言を指します)に携わってきました。今年8月末時点での累計認定支援機関数は3万件を突破しており、「認定支援機関制度」も浸透してきたように思います。

平成30年4月末時点での認定支援機関の認定件数は約2万8千件となっており、そのうち、税理士が約1万9千件、税理士法人が約2千5百件で認定件数全体の約4分の3を税理士と税理士法人が占めています。しかしながら、実務においては経営革新等支援業務の実施状況は芳しくなく、「月に一回程度」以上の支援業務を実施している税理士は約29%、税理士法人は約51%となっており、全体の約4割が「月に一回程度」以上の実施頻度で、残りの6割以上は、「半年に1回程度」以下もしくは「実施していない」というのが実情のようです。支援業務の分野としては、「経営改善」「経営力向上」「事業承継」の順に割合が高いようです。

その一方で、新たな認定件数等は中小企業庁からの2ヵ月に一度の公表によると、過去1年近くは毎度200
〜300件台にとどまっていましたが、今年6月公表分からはその数が1,000件台に急増しています。これは、平成30年度税制改正(1.事業承継税制の特例適用のために都道府県へ提出する必要がある「特例承継計画」に認定支援機関が所見を記載しなければならなくなった。2.先端設備等導入に係る固定資産税の軽減・免除適用のために市区町村へ提出する必要がある「先端設備等導入計画」に関して、事前に認定支援機関から確認を受けなければならなくなった)により、認定支援機関が関わる必要のある税制措置等が増加したことが認定数急増の要因として考えることができそうです。

特例の税制措置を適用する際に認定支援機関が関与すべき機会は今後数多く発生するものと予測されます。知識や体制の構築がより一層認定支援機関に求められ、それらの要望に私どもも応えていく必要があります。認定数の増加は良いことですが、認定がゴールではなく、それ以上に支援業務数が増加するよう意識して取り組んでいくべきですね。

なお、法改正により今年7月から認定期間に5年の有効期間が設けられ、期間満了時に改めて業務遂行能力を確認する更新制度が導入されています。認定日によって更新受付期間等が異なるため、各々注意が必要です。

posted by 山崎義孝税理士 at 18:30| 改正税法

2018年09月06日

事業承継税制の特例に係る認定申請期限等

以前、事業承継税制の特例の改正に関して、対象株式や猶予割合・要件等のお話をさせていただきました。
今回は、この特例を受ける際の申請に関してお話させていただきます。      

今年度の税制改正で創設された事業承継税制の特例を受けるためには、次の2つの手続きを行う必要があります。

(1)「特例承継計画」を平成35年3月31日までに都道府県に提出した上で、(2)認定申請期限日までに都道府県に認定申請を行う(平成35年3月31日までの贈与及び相続発生の場合には、贈与または相続後、認定申請時までに計画書を提出することも可能です)。

なお、認定申請は、認定申請基準日以降でなければ申請できないこととなっています。
贈与税および相続税に係る納税猶予の都道府県への認定申請期限等は以下のとおりです。

<贈与税の納税猶予>
・認定申請基準日
 :贈与日が1月1日から10月15日 >>> 10月15日
 :贈与日が10月16日から12月31日 >>> 贈与日
・認定申請期限日
 :認定申請基準日から翌年1月15日まで

<相続税の納税猶予>
・認定申請基準日
 :相続開始日の翌日から5ヵ月を経過する日
・認定申請期限日
 :相続開始日の翌日から8ヵ月を経過する日
  (認定申請基準日から3ヵ月を経過する日まで)

なお、納税猶予を受けるためには、都道府県の認定等のほか税務署への申告も必要となり、その際には認定書の写しとともに申告書等を提出することになります。

また、認定の審査にかかる期間は都道府県によって多少異なる可能性があるようで、おおよそ2ヵ月前後を要するとのことです。
本税制への理解が乏しいためか、都道府県をはじめ中小企業庁も認定の審査や申請マニュアルの公表等に遅れが生じているのが現状のようです。

認定申請期限後の認定申請は受け付けられないとされており、本税制の特例が適用できなくなります。
都道府県への認定申請期限日には十分ご注意の上、余裕を持った申請をお勧めします。

posted by 山崎義孝税理士 at 14:52| 改正税法
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