法人企業・個人事業主の税務・会計・申告・節税対策

税理士からのメッセージ

2023年02月01日

インボイス制度の負担軽減措置案

先月は全国的に厳しい寒さが続き、福岡でも気温が氷点下となる日が続きました。
雪が降ると生活・仕事に支障をきたすことが多いですが、九州地方ではめったに降らない雪を見るだけで、「四季」をより感じることができます。

さて、インボイス制度が今年の10月より開始されますが、制度開始による影響を考慮した負担軽減措置が令和5年度税制改正案として持ち上がっています。
この負担軽減措置案の1つとして「2割特例」があります。

この特例は、小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置で、適格請求書発行事業者の令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において、「免税事業者が適格請求書発行事業者となったこと」又は「課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる場合」に、納付税額を課税標準額に対する消費税額の2割とすることができる措置です。

適用対象者は、インボイス制度開始を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった者となります。

その一方で、インボイス発行事業者の登録を受けていない場合や、基準期間における課税売上高が1千万円を超える場合等、インボイス発行事業者の登録と関係なく事業者免税点制度の適用を受けないこととなる場合などは2割特例の対象となりません。

2割特例を適用できる期間は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間となります。
例えば、免税事業者である個人事業者が令和5年10月1日からインボイス発行事業者の登録を受ける場合には、令和5年分(10〜12月分)の申告から令和8年分の申告までの計4回の申告が適用対象となります。

2割特例の適用を受けるための事前の届出は必要なく、消費税の確定申告書に「2割特例の適用を受ける旨」を付記することで適用を受けることができるようです。

また、消費税の申告を行うたびに2割特例の適用を受けるかどうかの選択が可能となっており、通常の計算と2割特例の計算で有利な方を選ぶことができます。

免税事業者が課税事業者となることへのハードルが、これらの負担軽減措置によって下がることが期待されます。

その一方で、負担軽減措置等の創設により、インボイス制度への実務上の対応はより複雑なものとなります。

メリット・デメリット含め、今後の動向にも注視が必要ですね。

posted by 山崎義孝税理士 at 18:30| 消費税についての一言メモ
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