法人企業・個人事業主の税務・会計・申告・節税対策

税理士からのメッセージ

2021年06月01日

退職所得課税の見直し

九州北部では、5月中旬より梅雨入りとなりました。
例年より3週間も早い梅雨入りで、仮に梅雨明けが例年通りの場合、約2カ月間の長い梅雨期間となります。
現在、梅雨真っ只中ではありますが比較的天候の良い日が続いており、気温も30℃を超え、夏の訪れを肌で感じております。
やはり暑い中でのマスク着用は辛いものですね。

さて、今回は令和3年度税制改正のうち、退職所得課税の見直し(増税)について説明させていただきます。

退職金(退職手当等)を受け取った際は、給料等と同じく所得税の課税対象となります。
退職手当等は一般的に、長期にわたる勤務の対価の後払い及び退職後の生活の原資に充てられる性質を有するものと言われており、その担税力は他の所得に比べて低いとされていることから、退職所得控除額(勤続年数20年まで:40万/年、勤続年数20年超の部分:70万/年)を差し引いた残額の2分の1に対して課税され、税負担が低く抑えられる仕組みとなっています。

今回の改正では、この退職手当等のうち「勤続年数5年以下の短期の退職金」(短期退職手当等)について、上述の退職手当等の趣旨にそぐわないとして、2分の1課税の適用から除外することとされました。
なお、昨今の雇用の流動化等に配慮し、短期退職手当等であっても退職所得控除額を差し引いた残額が300万円以下までは引き続き2分の1課税を適用することができることとなっています。

つまり、短期退職手当等から退職所得控除額を差し引いた残額のうち300万円を超える部分が増税の対象となります。
例えば勤続年数が5年で、退職手当等が500万円の場合は今回の改正(増税)の影響はなく、同勤続年数で退職手当等が600万円の場合は、100万円部分が増税の対象(2分の1課税の適用除外)となります。

以前より、役員等としての勤続年数(役員等勤続年数)が5年以下の方(特定役員等)が、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるもの(特定役員退職手当等)については、この2分の1課税を適用する措置はありませんでしたが、今回の改正で、条件を緩めて特定役員等以外についても2分の1課税の縛りを拡充した形となりました。

本改正は、令和4年分以後の所得税に適用されます。
posted by 山崎義孝税理士 at 18:30| 改正税法

2021年05月06日

電子納税証明書のPDFファイルでの取得サービスの開始

ゴールデンウィークが終わり、暦上では立夏を迎えました。
今年もコロナ禍でのゴールデンウィークで、福岡では博多どんたく港まつりが昨年に続き中止となり、静かな大型連休となりました。
気温の上昇で外出するには絶好の時期を迎えていますが、まだまだ「我慢」の日々が続きそうです。

さて、今年の7月から、e-Taxを使った納税証明書のオンライン申請で、PDFファイルの電子納税証明書が発行できるようになる予定です。

現在においても、e-Taxを使用してオンライン申請による納税証明書の発行は可能です。
オンラインでの申請後、「書面の納税証明書」を税務署の窓口もしくは郵送にて受け取る方法と「電子データによる納税証明書」をダウンロードする方法があります。

「書面の納税証明書」は、受け取りに行く手間や枚数分の手数料が必要で、郵送による場合は別途郵送料が発生します。

「電子データによる納税証明書」は、電子データが原本となり、このデータを紙に出力(印刷)したものは原本とみなされず、納税証明書として使用できないこととされています。

以上のとおり、現行の納税証明書のオンライン申請は、利便性が高いものとは言えず、利用率が10%程度にとどまっているのも納得できます。

今回の納税証明書のPDFファイルでの取得は、窓口に行くことも郵送料も不要で、何枚でも印刷して何度でも使うことが可能となっています。
ダウンロードした電子納税証明書(PDFファイル)は、自宅のプリンターやコンビニエンスストアでの印刷サービスを利用し、印刷することができます。

PDFファイルでの電子納税証明書の取得については、上述のとおり利便性が向上しており、コロナ禍の現状も加味すると、利用しやすいサービスとして期待できるように思います。

なお、e-Taxを利用する際には、マイナンバーカードなどの電子証明書が必要となるため、事前の準備が必要です。

posted by 山崎義孝税理士 at 18:15| お知らせ

2021年04月05日

新年度

桜吹雪とともに新年度が始まりました。
桜はあっという間に散ってしまいましたが、満開の桜の景色は春の訪れを感じさせてくれます。

さて、4月1日より私たちの生活に密接した「総額表示義務」が再開されました。
「総額表示義務」は、事業者が消費者に対し商品の販売等を行う場合に、値札等であらかじめ価格を表示する場合には総額表示(税込価格表示)が必要とされており、消費者に対する価格表示であれば、価格表示の媒体(値札、チラシ、新聞、テレビ、インターネット)を問わず総額表示しなければならないことになっています。
つまり、今後私たち消費者が買い物等をする際に値札等で目にする価格は「税込価格」ということになります。

令和3年3月31日までは、スーパー等にて「税抜価格」を目にする機会も多かったことと思いますが、こちらは、表示価格が税込価格と誤認されないための措置を講じていることを条件とし総額表示を必要としない「総額表示義務の特例」が適用されていました。

総額表示義務は、平成16年4月1日にスタートし、平成25年10月1日に「総額表示義務の特例措置」が開始されました。
この特例措置は、当時、消費税率の引き上げが二度予定(8%:平成26年4月スタート及び、10%:平成27年10月スタート(後に二度延期、平成31年10月に引き上げ))されていたことから、各増税後の値札の貼り替え等の作業負担に配慮した形で、税込価格表示を要しない特例として創設されました。
これにより、スーパーやドラッグストア等では、税込表示から税抜表示へ変更を行う店舗が増え、特例開始直後は「税込表示」の店舗と「税抜表示」の店舗が混在する状況となりました。
その当時、煩わしさを抱えながら買い物をした方々も多かったことと思います。

7年半続いたこの特例措置期間が終了し、今年度より再び、「総額表示」となりました。

確認してみると、「税抜価格表示」を行っていたスーパーやドラッグストアのチラシや店内の値札が「税込価格表示」になっていました。
特例措置期間が長年にわたっていた影響で、税抜価格表示が特例措置であることを忘れてしまっていましたが、表示価格が総額表示(税込表示)へ戻ることにより、当初の総額表示の目的の一つである「支払総額の明確化による消費者の利便性の向上」を改めて実感できることを期待しています。

なお、「総額表示義務」は、事業者に対する価格表示は対象外となっており、事業者間での取引に影響はありません。

posted by 山崎義孝税理士 at 15:00| 消費税についての一言メモ
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