法人企業・個人事業主の税務・会計・申告・節税対策

税理士からのメッセージ

2020年05月07日

コロナウイルスによる役員給与への影響

新元号「令和」への改元から早いもので1年が経ちました。
その間、新型コロナウイルスの発生により、お祝いムード一色だった1年前からは想像できないほど現状は様変わりし、その影響は世界中に及んでいます。
コロナウイルスの発生から数ヶ月経過しましたが、事態の収束には至らず、日本では史上初めて緊急事態宣言が発令されました。
現在、事業者の営業活動への下支えとして「持続化給付金」などの政策が打ち出されていますが、経営状況の悪化はしばらく続きそうです。

そのようななか、コロナウイルスの影響で売上が減少し、役員給与の減額を検討する企業が増えてきています。
通常、役員給与は「定期同額給与」が損金算入の要件とされ、事業年度途中での恣意的な給与改定は、損金算入の要件を満たさないこととなります。
一方で、「業績悪化改定事由」(当該事業年度において当該内国法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由)により、役員給与を減額せざるを得ない事情がある場合などは、減額が認められています。
したがって、改定前に定額で支給していた役員給与と改定(減額)後に定額で支給する役員給与は、それぞれ定期同額給与に該当し、損金算入されます。

そのため、今回のコロナウイルスの影響下において、どのようなケースであれば「業績悪化改定事由」に該当するのかが気になるところです。

この点について、国税庁の見解は、今回のコロナウイルスのケースにおいて、営業自粛等で業績等が急激に悪化して、
@家賃や給与の支払いが困難となる場合
A資金繰りが困難となる場合
B今後の見通しが立たず、経営状況の著しい悪化が不可避な場合
などでの、役員給与の減額は「業績悪化改定事由」に該当するとされており、要件を満たす解釈の幅については広く採られているように感じます。
まだまだ先の見えない現況下にあることから、減額改定の検討の余地は十分あるかと思います。

その一方で、今回の役員給与の改定において注意すべきケースがあり、「業績悪化改定事由」による役員給与減額改定後に、コロナウイルスの影響が止んだことにより、同一事業年度中に従来の給与額に戻す場合(増額改定)です。

これについては、増額改定の際の要件とされている「臨時改定事由」(役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情)に該当しないとされ、上記のケースでは定期同額給与に該当せず、増額改定後の金額のうち改定前の金額を超える金額が損金不算入となってしまいます。

コロナウイルスの影響下での、役員給与の減額は比較的容易ではあるように感じますが、減額後の同一事業年度内での増額改定は困難であることから、減額の際には上述の点につき注意が必要です。

posted by 山崎義孝税理士 at 12:00| 参考

2020年04月02日

新年度

今月より新年度となりました。

桜が見ごろを迎えるなか、新型コロナウイルスの猛威は収まる気配を見せません。
ウイルス感染症拡大防止の観点から、個人の申告所得税、消費税及び贈与税の申告期限・納付期限は、一律延長となっていることは先月お伝えしたとおりですが、一方の法人では、申告期限等の一律の延長の措置は講じられていません。
しかしながら、ウイルスの影響は、法人の営業活動にも及んでおり、申告期限内での申告が困難なケースも発生することから、そのような法人においても申告期限の延長が可能となるようです。

災害その他やむを得ない理由による申告期限等の延長については、
@「地域指定」:国税庁長官が地域と期日を指定して延長
A「対象者指定」:国税庁長官が対象者の範囲と期日を指定して延長
B「個別指定」:納税者による所轄税務署長への申請により期日を指定して延長

以上の3つによる方法があり、先月の参議院予算委員会のなかでの答弁において、今回の事案においては、法人はB「個別指定」の申請により申告期限の延長が可能となる旨明らかにされています。

また、一定の要件を満たす場合には、原則として1年以内の期間に限り、納税の猶予が認められるため、管轄の税務署へ相談されるのも良いかと思います。

なお、顧問税理士等が感染した場合の取り扱いについては、政府発表の「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策―第2弾―」において、「税務代理についても、新型コロナウイルス感染症の影響により、通常の期限での対応が困難な場合には柔軟に対応する」と記載されているため、その際には何かしらの救済措置の適用があるものと思われます。

本来、歓送迎会・お花見等で賑わう時期ですが、今年に関しては自粛もやむを得ずといったところでしょうか。

posted by 山崎義孝税理士 at 15:00| 参考

2020年03月02日

確定申告の延長

連日、新型コロナウイルス感染症に関する報道が続いています。
様々な憶測がインターネット上で飛び交い、紙類の不足など不要な影響が日常生活に及んでいます。

確定申告にも新型ウイルスの影響が押し寄せています。
感染症拡大防止の観点から、申告所得税、贈与税及び消費税の申告・納付期限の延長が先月末に決定しました。
延長期間は、それぞれ4月16日(木)までとなり、最長で1ヶ月程の延長となります。
口座振替による納付日も延長されるようですが、具体的な日は未確定のようです。
全国一律での申告期限等の延長は史上初めてということで、事態の深刻さを物語っています。

新型ウイルスの影響は、企業活動にも及んでおり、倒産に追い込まれる事業者も出てきています。

このような状況の中、新型ウイルスの影響を受ける企業への支援策が中小企業庁より公表されています。

まず、日本政策金融公庫では、特別相談窓口の開設、セーフティネット貸付要件の緩和を行ない、売上の減少の程度にかかわらず、今後新型ウイルスの影響が見込まれる場合も含め、支援対象の拡大を行うこととされています。

また、信用保証協会を通じたセーフティネット保証制度でも、一般保証とは別枠で融資支援が決定しています。
全47都道府県が指定地域となっており、信用保証協会が別枠で融資額の100%を保証する制度となっています。

今回の新型ウイルスにより資金繰りに影響が出ている事業者も少なくないと予想されます。
資金繰りに影響が出ている、あるいは今後出る可能性がある事業者の方々は、早めの融資のご検討をお勧めします。
また、日本政策金融公庫をはじめ、商工会議所や信用保証協会等には「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」が設置されているため、まずはご相談に行かれても良いかと思います。

posted by 山崎義孝税理士 at 19:00| 確定申告
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